建築学部教室/解体終了
たくさんの建築思想が生まれ、引き継がれ、旅立った場所
丹下健三に連なる系譜の光吉健次による戦後モダニズムの代表作として高度成長時代の現代建築の特徴を有しています。見た目のモニュメント性はありませんが、打ち放しコンクリートによる構造と意匠が一体化した建築です。比較的大きなスパンと開口部を持ち、玄関のサッシの割り付け、手すりなど細部意匠、独立した柱や自由な窓配置などモダニズムを体現し、またベランダの手すりにはプレキャストを使ったコンクリートの打放しは見事です。
また、各地から移設された九州各地の建築資材や、OBによって移設された博多駅貴賓室のマントルピースなど、単に九州大学のみの価値にとどまらない産業遺産を数多く有しています。
物件情報
構造規模 | RC造、階数4 |
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竣工年 | 1970年 |
状態・コメント | 鉄筋コンクリート造であるが、大半は耐震性が不足しているため、詳細な調査が必要である。 |
今後の取り扱い | 評価B/比較的評価の高い建築物で、運営主体による費用対効果を考慮して取り扱いを検討する。 Bグループについては以下の取り扱いをする。 ①事業者が再活用を検討するための情報を公開する ②国・地方公共団体等に公用・公共用の施設として再活用の要望が行われた場合には、優先的に考える ③民間事業者が再活用を申し出た場合には、箱崎キャンパスの記憶を継承する象徴性と費用対効果を踏まえた実現性及び周辺環境との調和性を本委員会で検討し、土地処分を前提とした開発事業者募集前までに、大学において取り扱い方法を決定する ④再活用がなされない場合は、記録保存のプロセスを実施した上で、大学において取り扱い方法を決定する ※事業者が見つからない場合は、評価Cと同じプロセスになると考えられます。 |
参考文献:「平成24年度 九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物の調査」、「福岡の近代化遺産」
- 経済産業省による「近代化産業
遺産群 続33」に登録された建物 - 平成24年度九州大学箱崎キャンパスにおける
近代建築物の調査において評価をうけた建物 - 更地化されたエリアまたは
現在更地化が進んでいるエリア - 近代建築物の調査において
評価をうけたが解体された建物