応力研生産研本館/解体終了
廃墟マニアも圧倒するほどの存在感
大正末期に法文学部本館としてつくられ、その後の文系地区移転まで法文経学部本館として使われました。太平洋戦争末期、大学関係の建物には空襲を避けるために黒く迷彩が施されました。同建物も進駐軍の撮影した写真に記録が残されています。倉田謙氏の渦巻き文様のデザインモチーフも随所に見られ、またスチーム暖房、自動エレベータなど当時の最新技術を集めていました。
今では廃墟マニアも圧倒されるほどの異様な存在感がありますが、正門から九州大学内を撮影した写真には、ほとんど同建物の姿が写り込んでおり、正門とセットで九大の玄関を形成する建物です。建物の巨大さからJRの車窓からも煙突と外観を見ることができ、ランドマークとしても評価されます。
2017年2月 解体
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2016.10.2
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2016.10.8
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2016.11.2
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2016.11.2
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2016.12.6
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2016.12.10
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2016.12.11
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2016.12.13
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2016.12.16
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2016.12.21
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2017.1.30
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2017.2.14
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2017.2.22
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2017.3.8
物件情報
構造規模 | RC造、一部SRC、階数4 |
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建築面積 | 2,344㎡ |
延べ面積 | 9,570㎡ |
竣工年 | 1925年 |
状態・コメント | 研究所時代に大きく改装を施しており耐震性などの問題もあるため全体を再利用することは困難であり、シンボルとして一部保存も考えられる。鉄筋コンクリート構造物としては、老朽化が著しいため、寿命に達している。 |
今後の取り扱い | 評価C/解体方針。構造的な劣化が著しく、利活用が困難と思われるため、ファザード保存・記録保存等を含めた取り扱いを検討する。 以下の手順を踏んだ上で建物を解体する。 ①解体する建物を広く公開する。(建物の情報・活動歴史の紹介、解体前の撮影会等開催) ②記録保存を適切に行う(映像記録、3次元測定、部材保存) ③研究利用を行う(研究上、価値があるものを対象) ※非公式な見解として一部の専門家は、RCの劣化がひどく構造的にも危険であり、保存のためには技術とコストが必要といわれています。 |
参考文献:「平成24年度 九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物の調査」、「福岡の近代化遺産」
- 経済産業省による「近代化産業
遺産群 続33」に登録された建物 - 平成24年度九州大学箱崎キャンパスにおける
近代建築物の調査において評価をうけた建物 - 更地化されたエリアまたは
現在更地化が進んでいるエリア - 近代建築物の調査において
評価をうけたが解体された建物