本部第一庁舎 第三庁舎/評価A・保存活用予定
旧本館生まれの兄弟建築
工学部級本館と並んで九大を代表する建物で、九州帝国大学の歴史を担った煉瓦造りの様式性、装飾をよく留めています。実は1923(大正12)年12月に焼失した旧工科大学本館の煉瓦、礎石等を再利用して、旧館を復すように再建された、リサイクル建築なのです。工学部本館と向い合うように建てられ、広場の中心に立つとかつて帝国大学時代の強烈なインパクトを受けます。大正末期の建物と考えると煉瓦造り最後期の物件としても重要です。
第一庁舎に隣接して第三庁舎があります。第一庁舎と類似した造りで、焼失した旧本館の煉瓦等を再利用した弟分で、旧本館を親として生まれた威厳ある兄弟建築です。
物件情報
構造規模 | 煉瓦造、階数2 |
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建築面積 | 第一庁舎 1,464㎡ 第三庁舎 229㎡ |
延べ面積 | 第一庁舎 2,881㎡ 第三庁舎 788㎡ |
竣工年 | 1925年 |
状態・コメント | 補修継続利用は容易と察せられる。歴史的空間の維持の観点から文化財としての保護も考えられる。 煉瓦造りであり、耐震性が危惧されるため、詳細な調査が必要である。 |
今後の取り扱い | 第一庁舎 評価A/九州大学を象徴する極めて評価の高い建築物で近代建築物活用ゾーンとして保存・活用を前提とする。 第三庁舎 評価B/比較的評価の高い建築物で、運営主体による費用対効果を考慮して取り扱いを検討する。 |
参考文献:「平成24年度 九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物の調査」、「福岡の近代化遺産」
- 経済産業省による「近代化産業
遺産群 続33」に登録された建物 - 平成24年度九州大学箱崎キャンパスにおける
近代建築物の調査において評価をうけた建物 - 更地化されたエリアまたは
現在更地化が進んでいるエリア - 近代建築物の調査において
評価をうけたが解体された建物